市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん

市議会の最近のブログ記事

昨日、3月定例市議会が開会しました。以下、市から提出した議案のうち、新年度予算に関する部分の提案主旨説明を掲載します。(読みやすくする都合上、実際の発言と一部表現を変えている部分もあります)

新年度予算の主要な施策の概要についてご説明申し上げます。

1)「暮らしやすく住み続けたいまち」
まず、重点分野の1点目でございます「暮らしやすく住み続けたいまち」について、でございます。この分野では主に、「防犯力の向上」、「防災力の向上」、「安心と憩いのある暮らし」、「より便利で安全な市役所へ」の4項目にまたがっております。

■防犯力の向上
まず1つ目の「防犯力の向上」についてでございます。市内では近年刑法犯の認知件数は減少傾向にあるものの、高齢者を狙った特殊詐欺は増加傾向にありますことから、市内在住の65歳以上の世帯に対し、特殊詐欺対策電話機の購入費用の一部を補助し、犯罪の未然防止につなげてまいります。

また子どもを対象とした声かけ・つきまといや女性を対象とした犯罪も依然として存在することから、平成28年度より犯罪発生率の高い駅を中心に設置を行ってきている防犯カメラにつきまして、新年度はさらに交通の要所となる道路交差点や集客スポット周辺等への設置拡充を図り、犯罪の抑止と検挙率の向上につなげてまいりたいと考えております。

さらに、住宅対象の侵入窃盗などに対しましては、地域ぐるみの防犯活動が効果的であるとされておりますことから、各ご家庭の門扉等に掲出をしていただく防犯シートを新たに配布し、犯罪が起こりにくい地域の構築を目指してまいります。


■防災力の向上
次に2つ目の「防災力の向上」についてでありますが、来年度は、災害時に避難所として利用されます市立の小・中・高校の体育館のトイレ改修を完了させることで、災害発生時のインフラ強化を図ってまいりたいと考えております。

また、デジタル同報系防災行政無線が聞き取りにくいエリアに対しまして、新年度に聴取区域調査を実施し、改善方策を検討してまいる予定でございます。


■安心と憩いのある暮らし
3つ目の「安心と憩いのある暮らし」につきましては、奈良市のみならず奈良県の玄関口ともいえる近鉄大和西大寺駅周辺につきましては、引き続き南北自由通路の整備を進めるとともに、北口南口双方の駅前広場を整備し、交通結節点としての機能強化につなげてまいりたいと考えております。この事業につきましては、平成32年度末の完了に向け、国に対しても重点的な対応をいただくよう、働きかけも行っているところであり、期間内に竣工するよう、さらに努力をしてまいりたいと考えております。

また、歩道整備につきましては、新たに、近鉄学園前駅を南北に走る市道「奥柳・登美ヶ丘線」につきまして、平成29年度内に事業認可を取得し新年度から本格的に改良事業に取り組んでまいりたいと考えております。この道路は、歩道が非常に狭い区間がある状況で、ベビーカーの方や車いすの方が行き来するのに困難な状況にあり、また、災害時には緊急輸送道路に指定されておりますことから、改良工事を進め、歩道の安全性を確保し、最終的には道幅18メートルの能力の高い道路に改良してまいる予定でございます。

また、その他の市が管理する道路につきましては、供用開始から年月を経過した路線も多く、全体的に老朽化が進んでおり、近年では道路上に発生した穴ぼこ等による事故発生により、市民の皆様の安全な通行に支障をきたす状態になってございます。また、道路橋梁維持につきましては、交通量の多い箇所等において大規模な改修工事を実施することができるよう、引き続き重点的に予算を配分させていただいたところでございます。

また、来年度新たに、民間事業者を対象に、折り畳み式スロープの購入補助を創設する考えであります。先日も、市内の障がい者団体の方が、バリアフリーツーリズムマップを作成されたとご報告にお越しをいただきました。これからの時代は、障害のある方も、世界の様々なところに出かけていくことが当たり前の時代になってきておりますことから、国際文化観光都市でもあります本市といたしまして、市内の各店舗などで入口にスロープをつけていただくことに対して支援を行おうとするものでございます。


■より便利で安全な市役所へ
次に、4つ目の「より便利で安全な市役所へ」につきましては、具体的には、ならファミリー内にある市民サービスセンターでの取扱業務について、新たに印鑑登録、マイナンバーカード事務の業務を追加し、各種証明書の取得について、コンビニ交付サービスを実施し、マイナンバーカードの普及も併せて、ICTを活用した窓口改革を進め、更なる住民サービス・利便性の向上を図ってまいります。

また、災害時には防災拠点となる市役所の本庁舎の耐震化対策につきまして、外部の専門家による委員会において耐震補強をしていく方針が出さたことを受け、新年度より耐震化に向けた設計を行ってまいりたいと考えております。この事業につきましては、国の緊急防災対策の財源を活用することとし、市民ニーズや周辺環境との調和ということについても視野に入れながら平成32年度中の完成を目指して取り組んでまいります。


2)「将来世代へ先行投資するまち」
続いて、「将来世代へ先行投資するまち」についてでございます。
この分野では主に子育てと教育を2本柱としており、子育てに関することとしては「待機児童解消」、「子育て応援」、「多種多様な子育て支援」の3項目、教育に関することとしては「きめ細かな学習指導の充実」、「奈良らしい教育の推進と教員の指導力向上」、「いじめ問題対策」の3項目で構成しております。

■待機児童解消
まず、「待機児童解消」については、喫緊の課題である、待機児童解消を早期に実現することを目的に取組を進めており、具体的には、特に待機児童の多い、近鉄富雄駅周辺及び近鉄学研奈良登美ヶ丘駅周辺地域にそれぞれ一箇所の民間保育園を設置するための整備費補助を行い、児童の受け皿を確保してまいります。

また、2歳児保育を実施されている私立幼稚園に対し受入補助を行うことで、特に2歳児の待機児童解消を図ってまいります。

また、私立保育所に対しては、施設建物を賃借されている場合、その賃借料の一部について国の制度を活用し補助することで、安定的な運営への手助けを行っていくとともに、保育士への給与改善費補助を拡大し、新たに宿舎借上支援についても補助を行うことで保育士確保にも力をいれていきます。


■子育て応援
次に、2つ目の「子育て応援」につきましては、子ども医療費助成制度について、これまでは助成対象者の拡大に力を入れてきたところですが、利用者からの声を受け、自動償還払い方式から現物給付方式に制度を変更し、医療機関への受診時の自己負担を軽減することで、更なる子育て支援に繋げてまいりたいと考えております。この制度については、平成31年8月からの制度開始に向けて、次年度はまずシステム改修を行う予定です。

続きまして、妊娠、出産、子育てに不安を持つ保護者に対しては、ホームヘルパーを派遣し、家事や育児の支援を行う事業を新たに展開してまいります。

■多種多様な子育て支援
また、3つ目の「多種多様な子育て支援」につきましては、子育て中の共働きや多子世帯の方々の経済的・精神的な不安を少しでも軽減することを目的に取り組んでまいります。
具体的には、現在、市内に2箇所ある病児保育施設を、新たに北西部地域でもう1箇所新設するための整備費補助を行うことにより、共働き家庭やひとり親家庭が増加する中、子どもが病気になったときに安心して預けられるような環境づくりを目指してまいります。

また、バンビーホームを利用されている児童に、夏休み中の昼食の提供を開始することで、児童の栄養バランスの向上や保護者の負担軽減を図ってまいります。費用といたしましては、1食当たり約350円とし、自己負担はうち250円と設定させていただきました。この金額は普段の学校給食1食当たりの金額と同じにさせていただいています。

このほか、ファミリーサポートセンター事業やポイント制度を活用した、多子世帯支援にも取り組んでまいります。


■きめ細かな学習指導の充実
「きめ細かな学習指導の充実」につきましては、これまでも少人数学級など非常にきめ細かな本市独自の施策に取り組んでまいりましたが、一方で現場の実情に合わせて固定的な観念に捉われず柔軟に対応していくことも必要であることから、さらに子どもたちの学ぶ環境、育つ環境をよりよくするために創意工夫をいたしたところです。

具体的には、独自の少人数学級については、これまで小学校の一部学年において本市独自の国基準を上回る配置をしていたところでありますが、このうち、小学校1・2年生の学級については、30人学級編制とし、3年生以上については国基準の40人とする予定です。様々な学校現場のニーズがあるなかにおいて、1クラスの児童数は少ないに越したことはないという意見がある一方で、例えクラスが30人であっても、特別な支援を要する子どもが増加しているなかにおいて、例えば教員が持ち場を離れ、教室から飛び出す児童を探しに行かないといけないということになかなか対応ができない状況があります。そういったことから、特別支援教育支援員を従来から大幅に増員し、140人体制とすることによって、よりきめ細かな学習と教員の指導への集中を確保するように取り組んでまいりたいと考えております。

また、子どもの学力データの分析から学習状況を客観的に把握する、本市独自の学習システム「学びなら」を引き続き運用することで、教員の指導力の向上や子どもの学習意欲の向上につなげてまいります。

また、スクールカウンセラーについても、不登校や発達障害など様々な保護者や教員などからの相談も必要とされていることから、さらに取組を充実させてまいります。
なお、これらの取組は、3点目の分野でもある「未来への成長戦略を描くまち」にも繋がるものと考えております。


■奈良らしい教育の推進と教員の指導力向上
次に、2つ目の「奈良らしい教育の推進と教員の指導力向上」につきましては、次代を見据えた本市独自の教育や奈良らしい教育の推進を更に目指し、教員の指導力についても更に向上を図っていくこを目標にしております。

具体的には、AEEや英語に堪能な地域人材の派遣、オンライン英会話などの英語教育を継続して実施し、児童・生徒の学習意欲の向上、また、平成32年度次期学習指導要領で外国語活動が小学校5・6年生から3・4年生まで拡大されることから、グローバル化が進む社会に対応できる子どもたちを育ててまいりたいと考えております。


■いじめ問題対策
次に、3つ目の柱である「いじめ問題対策」につきましては、児童・生徒の生命を守るため、いじめの早期発見や対応を迅速な対応を目的に学校支援コーディネーターを増員、また、いじめ対応支援チームも3チームに拡充し、児童生徒指導対策を更に力を入れてまいります。

また、24時間の電話相談受付や、スマホアプリなどからの簡単な報告相談の受付など、いじめ等で悩む子どもたちの立場に立った、よりきめ細やかな相談体制を構築してまいります。

また、今後の方針等の検討を行う「いじめ対策検討委員会」や重大事案に対応する「いじめ調査委員会」を新たに設置し、いじめ問題への抜本的な対策を更に進めてまいります。


3)未来への成長戦略を描くまち
続きまして、3点目の分野として「未来への成長戦略を描くまち」についてでございます。
この分野は、「ポスト東京五輪を見据えた成長戦略」、「県市連携事業」、「インバウンド推進事業」の3つの柱で構成しております。

■ポスト東京五輪を見据えた成長戦略
まず、「ポスト東京五輪を見据えた成長戦略」については、2020年度の東京オリンピック開催、更にその先も見据えた本市の成長戦略を構築することを目的にとしております。
具体的には、東京オリンピック・パラリンピック開催に当たり、本市にオーストラリア女子代表サッカーチームの合宿誘致など、ホストタウン事業に取り組んでまいります。

また、本市をホームタウンとして活躍している「バンビシャス奈良」など4チームと連携し、ホームゲームの開催や学校巡回事業などに取り組み、スポーツの素晴らしさを通し、青少年の健全育成や地域の活性化、また、スポーツを通じたまちづくりに努めてまいります。

さらに、鴻ノ池運動公園の整備事業として、公園の整備拡充と陸上競技場への大型映像装置設置を行い、県内唯一の第一種公認の陸上競技場としての機能向上並びに利用促進を図ってまいります。

また、隣接する旧奈良監獄につきましては2020年のリニューアルオープンに向けてPFI方式で国による取り組みが進められているところであり、先日の安倍総理の施政方針演説の中でも取り上げられたものであります。この旧奈良監獄の活用については本市としても、本市の成長・発展に非常に重要なものであると認識しており、施設へのアクセス道路を市道として整備することで、近隣住民の生活道路の通行量緩和及び安全確保につなげてまいりたいと考えております。


■県市連携事業
次に、「県市連携事業」につきましては、招集挨拶でも申し上げたところでありますが、県・国等との連携は今後益々重要になってくると認識しております。今後、更に連携体制を強化し、今、奈良市内を見ても様々な新しい公共事業や民間投資が非常にスピード感を持って進んできている現下の状況を千載一遇のチャンスと捉え、本市としてもさらに連携による取組のスピードアップを目指してまいります。

具体的には、これまで県と連携して進めている事業である、「八条・大安寺周辺地区」では、新たな京奈和自動車の(仮称)奈良インターチェンジやJR新駅設置を見据えたまちづくりをしっかりと図ってまいります。

また、「奈良公園周辺地区」においては、新たに近鉄奈良駅周辺のターミナル機能向上等のため検討予備調査を行うとともに、先ほど申し上げた旧奈良監獄の活用、また、鴻ノ池運動公園周辺整備等とも連携を図りながら、奈良公園周辺地区の総合的な魅力の向上に努めてまいります。

また、奈良の玄関口でございます「大和西大寺駅周辺地区」については、県・近畿日本鉄道と締結した協定をもとに中長期的な視点でさらなる協議を進め、「平松周辺地区」では、県総合医療センター移転後の跡地利活用について基本構想の策定など、それぞれの地区での取組をさらに加速させてまいりたいと考えております。


■インバウンド推進事業
次に、3つ目の柱であります「インバウンド推進事業」につきましては、古都奈良の持つ豊富な資産を活かした外国人観光客の誘致などを更に強化し、滞在型・周遊型の観光をさらに推し進めてまいります。

具体的には、フランス・パリで官民挙げて開催されます「ジャポニスム2018」におきまして、奈良県とともに、奈良の伝統行事であります「春日若宮おん祭」の出展等により参画をすることで、歴史文化への造詣が深い層、また富裕層などを中心に奈良への一層の関心を喚起し、2020年の東京オリンピック開催を見据えつつ、外国人観光客の増、また滞在型観光への進化を目指してまいりたいと考えております。

また、「古都奈良の文化財」が世界遺産に登録をされて今年の12月で20周年を迎えますことから、改めて文化遺産の大切さをアピールする取組も進めてまいります。

また、本年10月には、姉妹都市提携をいたしておりますオーストラリアキャンベラ市と締結25周年を迎えますことから、両市の友好親善を図るのみならず、市民間交流を実施できる地盤をつくり、継続性のある姉妹都市関係を両市で築き上げる取組を進めてまいります。

また、なら国際映画祭の開催につきましては、この事業が映画関係者はもとより、国内外から多数のゲストを迎え、奈良の素晴らしさを知ってもらう大きな機会でもあり、本市の文化振興に寄与することはもちろんのこと、観光振興や経済波及効果も見込まれることから、本市として開催を支援をしようとするものでございます。


4)市民と創る持続可能なまち
最後に、4点目の分野といたしまして「市民と創る持続可能なまち」についてでございます。
この分野につきましては、「市民協働」、「地球温暖化対策」、「循環型社会」、さらに「多様な福祉課題の解消」、「新斎苑建設事業」の5つの柱で構成をいたしております。

■市民協働
まず、「市民協働」については、超高齢化社会に向けた今後の対策など、様々な課題について行政だけでは対応ができない場面も散見されることから、市民との協働を更に進め、地域づくりを発展させていくための取組に力をいれてまいりたいと考えております。

具体的には、長寿健康ポイントやボランティアポイントなどポイント制度を引き続き活用し、健康増進や市民参画の意識向上を図るとともに、新たに地域自治協議会設立に向けた準備組織への補助を行うことで、これからの新しい地域づくりの基盤を整備し、地域コミュニティの再生へと繋げてまいりたいと考えております。

また、JR西日本より無償譲渡を受けました京終駅舎の復元整備につきましては、整備後に観光案内所を設けるとともに、地域の皆様方に主体的に運営に関わっていただく取組を進めており、ならまちの南の玄関口として、地域の、市民の力を活用した、更なる活性化に繋げてまいりたいと考えております。

また、地域から提案をいただき、現在取り組んでおります事業といたしましては、「平城第2号公園の活性化委員会」という取組がございます。行政と地域が連携をしながら公園のこれからのあり方、また運営について議論をさせていただいているところでございますが、この活性化委員会から提言がございました平城第2号公園のトイレ改修を今年度は行っていきたいと考えております。


■地球温暖化対策
また、「地球温暖化対策」につきましては、再生可能エネルギーの利用促進や温室効果ガスの削減など環境対策を目的に、本年度は災害時の電力供給を見込める家庭用燃料電池や蓄電池の購入補助、また市民共同発電所の設置補助などを行うことで、温室効果ガスの削減につなげてまいります。

また、環境問題を都市交通という面から見直しを図る行事も開催をし、更なる市民の意識啓発を進めてまいります。

さらに、交通事業者等に対する支援なども引き続き充実・拡充をし、循環型社会の形成に資する取組を加速させてまいりたいと考えております。

その中におきましては、現在老朽化が進んでおります現環境清美工場の改修やクリーンセンターの建設に向けた取組も大変重要だと認識をいたしております。
今後新たなクリーンセンターにつきましては、その建設の候補地を様々な角度から検証をしていくと申し上げているところではございますが、それまでの間、現在の施設を維持、延命化を図ることが大変重要でございます。
そのため、来年度につきましては、延命化のための改修事業に取り組むとともに、現在の焼却施設の負担を軽減するために、雑がみの回収を進めるための取組や、生ごみ処理機の購入助成の拡充をすることなど、施設の負担の軽減を図ってまいりたいと考えているところでございます。

■多様な福祉課題の解消
次に、4つ目の「多様な福祉課題の解消」について、でございますが、超高齢化社会の進展や子どもの貧困対策、また障害者の雇用など様々な福祉課題に総合的にきめ細かな施策を展開をしてまいりたいと考えており、具体的には、「(仮称)権利擁護センター」を設置し、権利擁護に関する相談窓口の一元化により、成年後見制度の利用促進を図ってまいりたいと考えております。

また、「(仮称)在宅医療・介護連携支援センター」を設置することで、在宅医療や介護連携に関する相談支援を行い、より効果的な連携の推進を図ってまいります。

また、生活支援コーディネーターにつきましても、各日常生活圏域に配置し、地域包括ケアシステム構築における地域の生活支援・介護予防の体制強化に努めてまいります。

更に子どもの貧困対策といたしましては、ひとり親家庭や生活困窮世帯の中学生を対象に、市内3箇所で学習支援教室を開催をする予定でございます。

また、障害者の雇用促進につきましても、市内企業者の理解を進めるための取組を新たに着手をする予定でございます。

■新斎苑建設事業
最後に、「新斎苑建設事業」についてでございますが、先ほどご提案申し上げましたとおり、当初の計画に沿いまして3年後の完成、そして運用の開始に向けまして、着実に整備を進めてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様方のご理解・ご協力をお願い申し上げる次第でございます。

(中略)

以上、ただいま一括上程になりました案件につきまして、その概要をご説明申し上げた次第でございます。
ご審議を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。               

(以 上)

まず、一般会計について、でございますが、本市喫緊の課題でございます新斎苑整備事業に関する経費でございます。

平成28年3月議会におきましては、「市の責任で住民の自然災害に対する不安の払しょくを図るべき」とのご指摘を多くいただいたところであります。また住民に対しまして、より丁寧な説明や理解を得るための努力が不十分である、とのご意見も頂戴をした次第であります。私どもと致しましても、これらの指摘は大変重要なものと考え、既に実施をいたしております計画地の土質調査や周辺の地質状況調査の結果などを基に、4月以降、地元・周辺地区で住民集会やミニ集会、また戸別の訪問や資料の配布などを繰り返し実施し、住民の皆様への説明に努めてきたところでございます。

 

また住民説明会や議会のご議論の中から「市が実施した調査に対し客観的な評価を得るべき」との提案がございましたことから、市が実施をいたしました計画地の土質調査や、周辺の地質状況調査及び斜面安定解析調査に対しまして、京都大学防災研究所の先生方に第三者評価を実施していただいたところでございます。その結果、京都大学防災研究所流域災害研究センター長の藤田教授からは「計画地の地盤状況、土石流の発生状況、地下水に関しての必要な調査、検討は実施されており、報告書及び説明資料の内容も特に問題はないものと評価をする。」と、次に京都大学防災研究所斜面災害研究センター長の釜井教授からは「計画地の地盤状況に関して必要な調査、検討は実施されており、報告書及び説明資料の内容も特に問題はない。」また、京都大学大学院物理学研究科地球惑星科学専攻個体地球物理学講座の堤准教授からは、「計画地及び周辺の活断層に対する必要な調査、検討は実施されており、報告書及び説明資料の内容も特に問題ない」との評価をいただき、「追加的に計画地の断層調査として物理探査及びボーリング調査の実施が望ましい。」との指摘を頂いたところでございます。

このことから去る9月議会におきまして追加的な調査の予算を提案させて頂き、ご議決を賜りましたことから、速やかに調査を実施して参った次第でございます。結果と致しましては、「小断層や岩盤の割れ目がやや多い箇所は確認されましたが、岩盤全体として建築物の支持層として特に問題はない」との結果を頂くことができました。

また昨年から実施をしておりました環境影響評価につきましても「本事業は、周辺環境と調和が保たれ、環境保全に十分配慮した火葬場及びアプローチ道路の建設事業である」との評価結果が得られたところであります。さらに議会からもご指摘を賜っておりました保安林の件でございますが、用地確定作業の結果、計画地とは重なることがないということを確認できておるところであります。

一方で、私はこの新斎苑問題を市民全体の課題としても考えていくことが重要と考え、全市民を対象とした説明会を開催をするとともに、ご要望をいただいた自治会等に対しましても、直接出向いて説明を行うなど、市民理解を得るための取り組みを積み重ねてきたところでございます。新斎苑問題につきましては、計画地周辺にお住まいの方は勿論、市民全体がこの問題に関心を持ち、これまでご苦労をおかけをしてきた地区と、これからご協力をお願いする地域の皆様に対し、全市民が感謝の気持ちを持つことが重要だと考え、様々な機会を捉え、全市的な理解を広げる取り組みもつづけさせて頂いております。

市といたしましては、このような4月以降の様々な取り組みにより、住民の皆さまの自然災害に対する不安の払しょくに努めるとともに、これまでにご指摘をいただいた事項や、多くの調査結果を反映をいたした「奈良市新斎苑基本計画」を作成させていただいたところであります。

この基本計画に基づき、必要となるアクセス道路橋梁設計業務委託や運営事業者選定にかかる必要書類の作成等に関わるアドバイザリー業務委託など、新斎苑整備事業として8,200万円を計上しようとするものでございます。

住民の皆さまのご理解を得るための取り組みにつきましては、今後も引き続き努めて参りたいと考えているところであります。

本事業につきましては、賛否それぞれに様々なご意見を賜っておることは、十分認識をいたしているところでございますが、今年で100年を迎え、歴代市政が60年の長きにわたり実現させることができなかった移転・建て替えという問題を市政の最重要課題として、何としても前進をさせてまいりたいと切に願っている次第でございます。議会の皆様方に対しましても、改めてご協力をお願い申し上げる次第でございます。

6月定例議会の代表質問・一般質問が終わりました。代表質問は大会派から順に自民・未来・共産・公明・改革がそれぞれ行いました。また一般質問は12名の議員が質問に立ち幅広い議論がなされました。取り急ぎ重点課題について質疑状況をお伝えします。

■環境部職員の逮捕事件
先日の環境部職員の逮捕事件に対しては、まず招集挨拶の中で冒頭陳謝申し上げ、全容の解明と再発防止の徹底に全力を尽くすことを申し述べました。質疑の中でも事件の経緯や逮捕に至るまでの市の取り組み、同時に逮捕者が出た奈良市清美公社(市の外郭)への指導と処分のあり方等に関して質問がありました。これまでも環境部改革は私の政策の肝であり、不適切な勤務実態や、違法とは言えないまでも市民感覚で理解不能な特殊勤務手当の大幅見直し等は、特に力を入れてきたテーマでした。また収集業務の民間委託を約50%まで広げるなど、昔ながらの働き方を改める中で職員の意識も着実に変わって来た矢先の今回の事件。私自身、強い憤りと責任を感じます。

今回の事件への市の対応について、一部議会やマスコミと見解が異なるのが、逮捕までの対応についてです。これまでも環境部では病気休暇の不適切な取得や、勤務時間中の職場離脱(いわゆる中抜け)等の問題が指摘されており、その都度調査を行うものの、市の調査能力や権限では証拠を押さえて事件化するまでに至らないケースが多々ありました。仮に当事者が否認すれば「逃げ得」を許すことになりかねません。

そこで今回は確実に事件化をはかり断罪すべきと考え、当初から警察の力を借りて内偵捜査を行ってきた経緯があります。結果として十分な証拠を押さえ警察が逮捕に踏み切るまで約1年がかかりましたが、仮に事件につながる情報を得てすぐに再発防止策を講じた場合、二度と事件を起こさなければ本人が自首する以外罪に問うことができなくなります。それではダメだ、と考え今回は証拠を押さえることに重点を置く判断をさせていただきました。市民の皆さんの中にも様々なご意見があると思いますが、幾度となく繰り返してきた環境部の不祥事体質を今度こそ改革し切るという強い思いで取り組んでおりますことをご理解頂ければ幸いです。

なお、職員の処分に関する市の仕組みとしては「奈良市職員分限懲戒審査委員会」という審議会があります。委員5名のうち過半数の3名が外部委員(学識・弁護士・公認会計士)で、2名の職員のうち1名は法令遵守監察監(警察OB)となっています。当然のことながら市としては厳正な処分を行って参ります。

奈良市職員分限懲戒審査委員会
http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1375669573779/index.html



■新斎苑事業
次に新斎苑事業に関する質問、これは3月議会で新規の関連予算が認められなかったことから、主に今後の進め方について質問をいただきました。3月議会でも主な反対理由として挙げられた「自然災害リスクに対する住民不安」については、既に様々な調査により新斎苑の建設事業が地域に与えるリスクは「ほとんどない」という結果が出ています。一方、以前から地域に存在する災害リスクについては、新斎苑計画とは別のものですので、切り離して考える必要があります。

この点については住民説明会や戸別訪問の折にも繰り返し丁寧に説明しているところですが、今回の質問では第三者評価を採り入れるべき、との提案がありました。市としても調査結果に自信があるのは当然ですが、異なる学説や意見もうかがった上で慎重に進めていくため、「ぜひ採り入れたい」と答弁。調査結果の公開と共にしっかりと対応したいと思います。今回の質問ではこれまで議会で答弁してきたものとほぼ同じ論点でしたが、合併特例債の関係で平成32年度末の竣工期限が迫る中、もはや一刻の猶予も許されません。市民の長年の悲願である新斎苑を何とか着実に進めて行きたいと思います。

新斎苑特設ページ
http://www.city.nara.lg.jp/shinsaien/



■防災対策
熊本地震を受けて市の防災体制については、避難所の受入キャパやトイレ・ごみ問題、高齢者・障害者・子ども連れなどの特別な対応が必要な避難者への対応状況と併せて、先日、耐震性がないとの調査結果が出た市役所本庁舎の耐震化にかかる考え方が問われました。避難所に関しては、一次・二次を合わせても約7万5000名の受入れ能力に留まるものの、施設の耐震性や日常の維持管理コスト、また開設にあたる職員体制に限界がある点など現状をお答えしました。今後は地域の側で運営する形を探ることで、より身近な場所に避難ができる方策を検討していきたいと思います。

既にニュース等でご案内の通り、今3月定例市議会で活発な議論がなされた新斎苑計画に関し、奈良未来の会と自民党による修正案が可決され、新斎苑関連予算が大幅減額修正される形となったことを受け、今般地方自治法の規定に基づき再議にかけさせていただきました。昨日、議会でその趣旨説明を行いましたので新斎苑に関する部分のみ掲載いたします。
(原文のままですので、一部当日の発言と異なる部分があります)

議案第25号 平成28年度奈良市一般会計予算に対する修正可決に対しまして再議に付した理由を申し述べます。

まず、何よりも新斎苑について、であります。

今回の修正案では新斎苑関連事業費のうち、既に債務負担行為を設定し、業務委託を行っている環境影響評価業務委託の2,900万円を除く経費4,800万円が減額なされた訳でございます。

 この減額された経費4,800万円の内訳は、アクセス道路・橋梁予備設他設計業務委託、都市計画審議会資料作成業務委託、地元自治会等先進地視察業務委託、アドバイザリー業務委託、不動産鑑定手数料などであり、更には新斎苑建設推進課の消耗品費のような事務的経費も全て削減されようとするものでございます。

新斎苑建設事業は、昭和30年代に現火葬場のある白毫寺町からの移転要望を受けて、市が重要課題として、その時々の議員の皆様や市長をはじめとする市職員も実現に向け努力を続けてきたにも関わらず、60年近く経った今でも実現できていない状況でございます。

 現火葬場の移転新設が急務であることは、議員の皆様をはじめ全ての市民の皆様が理解をされ、また大いに期待されておられるところです。一方で現施設の老朽化や対応能力の著しい低下は明らかであり、多くの市民の皆さんからも一日も早い建替えを求める声が日に日に大きくなってきております。また新斎苑事業のスケジュールの遅れは、合併特例債を充当することができなくなり結果的に約22億円の市の財政負担が生じることもご承知のとおりでございます。

そのような中、現在私どもが交渉させて頂いている地元自治会の方からは「市民のために受け入れを検討しよう」という前向きなお声も頂戴している所であり、このことは我々にとっても、また市民にとっても大変ありがたいことだと感じております。長年地元の理解を得ることが困難であった新斎苑に一筋の光がようやく見えてきた思いも致します。もちろん、現時点では地元の皆様の合意に至ってはおらず、様々な反対のご意見も頂いていることは重く受け止めております。

私どもと致しましては、何よりもまず、地元周辺住民の皆様のご理解を得ることが最も重要と考えており、計画地周辺の土砂災害警戒区域等へのご心配についても詳細な調査結果や今後の継続的な対策等を含めしっかりとご説明申し上げ、不安の払しょくに最大限努めて参りたいと考えております。

その中におきまして、やはり今回の修正予算では、市内全域から選定した唯一の計画地である横井町山林への新斎苑建設事業を大きく遅延させることが懸念されます。また一定のご理解をいただき、前向きなお話をさせて頂いている地元周辺の皆様や地権者に対しても市の姿勢が問われることも考えられます。

市としては一日も早い新斎苑の実現に向け、さらなる努力をしてまいる所存でございますので、何卒ご理解を賜りたく、改めてご審議をお願いする次第であります。なお、新斎苑整備事業の内、地元説明関係経費や課の事務費等を除く事業関連予算については、地元周辺の皆様との協議を進め、ご理解を得た上で事業を進めてまいりたいと考えております。

長かった9月定例市議会が閉会しました。今議会での中心的議論はやはり補正予算案。特に国の人口急減論議やその後の地方創生に向けた取り組みを踏まえ、奈良市として策定した緊急対策事業に対する白熱した議論が注目されました。今回我々が提案した事業は関連事業も合わせて以下の7事業。

1)バンビ―ホーム(学童事業)の開所時間の延長
2)就職活動中の保護者のための市役所内託児所の開設
3)学校給食で地産食材の利用拡大を図る事業
4)農産物加工施設の改修
5)シティプロモーション事業
6)JR奈良駅旧駅舎を外国人観光向けの観光案内所に整備
7)子どもにやさしいまちづくりフォーラムの開催

これに対し、議会からは、緊急性が乏しい・ニーズが見えない・財政民主主義の観点から補正予算の乱発は認められない、などの反対意見が一部会派から出されました。中にはもっとも、という意見もありますが、「反対のための反対」というものも多く辟易とする場面もありました。

まず第一に、奈良市では全体の総人口は横ばいから微減ですが、20代30代の若者に限って言えば10年で2割も減少しています。一方、女性の労働参加率は全国最低レベル。待機児童もある中でどうやって早急に改善を図るかが重要です。これまでも段階的に対応してきてはいますが、さらにスピードを上げるべし、と考えています。その理由は奈良市が定住促進のターゲットとしている関西の子育て層は、団塊ジュニア世代のマイホーム取得需要が徐々にピークを過ぎ、さらに今後の景気後退のリスク等も考えると、いち早く魅力を打ち出し、街としてのブランド力を確立した地域が生き残るということになります。

さらに就労の面からは、今後は働きながら子育て可能な街にしていくためにも、子どもが預けられないから就職できない、就職できないから保育園に入園できないという待機児童都市の悩みを解消するための市役所内託児所は突破口になると思います。今回は奈良労働局と連携し、ハローワークと近接する市役所を開放することで保護者の利便性も高いものになります。また、いわゆる「小1の壁」解消も急務で、子どもが保育園の時は19時まで預かり可能だったものが、小学校入学後に18時までとなることから就労が継続できないという悩みがありました。これに対しては、放課後の子どもたちの居場所としてのバンビ―ホームの開所時間を延長することでその壁を早急に取り払いたいと考えています。

一方、交流人口を増やす取り組みも、より迅速かつ効果的に施策を展開する必要があると考えています。昨年(平成25年)奈良市を訪れた外国人観光客は前年比1.6倍の43万5000人と非常に多く、国内人口が減少する時代の中で、外国人観光客9人で定住人口1人と同じ消費額と言われるように、戦略的に定住人口と交流人口(観光客)の2本柱で増加策を講じることが街の命運を決めます。今回はアンティークな趣のあるJR奈良駅の旧駅舎を活用し、全国で7か所しか認定されていないJNTO「カテゴリ3」レベルのサービスを提供することで、外客誘致の大きなアドバンテージを生み出す構想です。奈良は言わずと知れた観光都市ですが、世界の観光地間で競争が激化する中、単に世界遺産があるだけで安穏としていられる状況でもなく、国際観光市場の中でいかに存在感を出すかが極めて需要だと考えています。

以上のような考えを以て主張・反論しましたが、最終的には数の論理で2)5)6)の3事業を削除する修正案が可決されました。今回の議論の中でやはり課題となったのは緊急性や必要性についての意識差だったと思います。このあたりの評価は、議会中継のライブラリや議事録等から市民の皆さんにもぜひご覧いただき、どちらの主張がより理に適っているかをご判断いただければ幸いです。

奈良市議会中継(ライブ・録画)
http://www.gikai-tv.jp/dvl-narashi/2.html

本日、9月議会が開会しました。今議会は平成25年度の決算審査を中心に、6月から取り組んでいる「奈良市人口政策プロジェクト」で策定した緊急対策事業を始めとする補正予算案、津山副市長の任期到来に伴う再任人事案件など、報告26件、議案31件、諮問6件です。

人口減少対策に関連する事業としては、いわゆる「小1の壁」を取り払うために、市内全バンビーホーム(学童保育)の開所時間を平日19時まで・土曜日は17時までとする事業、就職活動中の保護者を対象にした託児所の開所事業、定住促進に向けたプロモーション事業、JR奈良駅旧駅舎の「奈良市総合観光案内所」を機能強化し、JNTOの「外国人観光客案内所認定制度」の最高位であるカテゴリー3を目指す事業などです。

その他としては、先月の台風11号関連の災害復旧経費として5,750万円、マイナンバー制度に対応するためのシステム改修経費が6,700万円、成人用肺炎球菌と小児用水痘ワクチンの定期接種化に伴う経費として7,600万円、市内の全街路灯をLED化するための設計費として1,000万円など、一般会計では合計7億9,466万6000円を計上しました。

なお、副市長の2期目の退職金についても、市長同様に不支給とする条例を上げさせていただいています。代表質問は9月11日(木)、一般質問は12日(金)・16日(火)に行います。会期は10月1日まで。

久しぶりのブログ更新です。6月定例市議会が本日(6月9日)開会、代表質問は12日(木)、一般質問は13日(金)・16日(月)の予定です。ご都合のつく方は是非傍聴にお越しください。詳しい日程は議会サイトで随時更新されます。

奈良市議会HP
http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1147327344586/index.html

2014年2月25日 01:03 [市議会]

26年度予算案

平成26年度予算案を発表しました。一般会計の総額は1260億円と対前年比約26億円増えていますが、これは従来別会計で管理していた給食費を公会計化したことによる増(10億円)と、国の臨時福祉給付金の影響による増(16億円)によるもので、実質的には前年並みとなっています。以下、歳入・歳出それぞれの特徴をお伝えします。

1)歳入の部
歳入の根幹である市税収入は個人市民税が約1%の減の約227億円(約2億3400万円減)となるほかは、法人市民税が19.1%増の約37億円(約6億円増)、固定資産税が約194億(約1億円増)となるなど、全体で約523億円(約4億4000万円増)と0.9%の「微増」を見込んでいます。また配当割交付金4億9000万円(75%増)、株式等譲渡所得割交付金2億5000万円(212%増)は国の軽減税率が廃止されることで増加しています。一方、消費税が8%に引き上げられることにより、地方消費税交付金は前年比7億円増を見込んでいますが、消費税率改正に伴い自動車取得税の税率が引き下げられるため同交付金が1億5000万円減、さらに地方交付税も3億円減となります。さらに増税に伴う市の歳出増が約6億8000万円を見込んでいますので、自由に使えるお金が増えるとは言えない状況です。また市債(借金)は約146億円と対前年比約5億円の減に留めることができました。なお、市債発行残高につきましては一般会計・特別会計・公営企業会計の合計から実質的な交付税(臨時財政対策債)を除いた起債総額が、平成25年度の約2436億円から約2346億円へ90億円減少します。今後、さらに負債の圧縮に努めていきます。

2)歳入の部
26年度歳出の特徴としては、まず人件費が退職不補充や独自の給与カットにより約5億4000万円減の約247億円となります。扶助費は障害者自立支援給付費の増(約3億円)により約290億円(0.8%増)、投資的経費ではあやめ池小学校の校舎改築(約8億8000万円)や生駒市と共同運用する消防指令センターの整備費(約5億円)が大きいものの、前年比では3.7%マイナスとなります。学校の耐震化については財源が有利な平成25年度の国の経済対策で前倒し実施することになりました。これにより約4億5000万円の市の負担減となります。ちなみに学校耐震化については私の就任前には46.2%と大幅に遅れていましたが、今年末で82%、来年度末では89.2%となり、27年度でほぼ100%完了する予定です。

これらの予算案につきましては2月28日開会の3月定例市議会において審議されます。詳しい議会日程につきましては市議会HPをご覧ください。

,リニア中間駅の奈良市への誘致キャッチフレーズが決定!
全国から応募のあった897作品の中から、北海道在住の朝倉修さんの「一直線に、天平の都へ」が選ばれました。リニアの直進性と、日本のルーツとしての奈良が、端的かつ印象的に表現された作品だと思います。今後このキャッチフレーズと共に、誘致活動を盛り上げて行きます!

リニアキャッチ.jpg

本日は3月定例市議会の予算決算委員会の締めくくりとなる市長総括質疑が行われ、その後来年度予算案に対する委員会採決が行われました。市側が提出した原案に対し、共産党からは組み替え案が、また公明党・民主党と無所属の天野議員からは静脈認証システムの導入経費を減額する(ゼロにする)修正案が出されました。採決の結果、修正案が賛成多数で可決され、その他の予算決算委員会に付託された議案については全て可決となりました。(最終的には22日の本会議での採決で決まります)

静脈認証システムについては、いわゆる中抜けやタイムカードの代打ち等の不祥事を未然に防ぐ対策の1つで、監視カメラの設置や現業職員対象の研修と併せた3本柱の1つです。議会からは「導入したいという気持ちは分かるが、(意識改革等)他にできることがあるのでは」「高度な個人情報を労務管理に用いてはならない」「環境部だけに導入するのであれば平等取扱の原則に反するのでは」などの意見が議案審議を通じて出されていました。

確かに、普通の職場や組織では「そこまでしなくても良いのでは」という指摘ももっともですが、環境部がこれまでにも様々な不祥事を起こしてきた現場であること、また歴史的な問題として市当局の意思や指導が極めて行き届きにくい職場風土であること、職員アンケートの中でもタイムカードの代打ちを指摘する声があったこと等を総合的に判断し、静脈認証システムの導入に踏み切ろうと判断したわけですが、結果として理解を得ることができず大変残念です。

度重なる不祥事に対し、1日も早く職場風土や規範意識を一新し、市民の信頼を取り戻さなければならないという危機感は私だけでなく、真面目に働く多くの現場職員も同じ気持ちだと思います。今後、どのような方策が可能か、改めて検討したいと思います。

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