市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん

2012年8月アーカイブ

 8月5日に早稲田大学で、行われた 「マニフェスト・サミット2012~地域から新しい日本を~」にパネリストとして参加してきました。マニフェス卜と言えば既に国政のみならず地方自治体の首長選挙でも相当浸透してきた感がありますが、今回のサミッ卜ではいずれもマニフェスト型選挙で当選した 一期目の首長4名 (清水勇人さ いたま市長 ・田辺信宏静岡市長 ・ 山中光茂松坂市長と私)が登壇 し、 市政への取 り入れ方や運用面での課題について議論しました。
 
 マニフェエストは元々、180年ほど前にイギリスで採り入れられた選挙公約がルーツと 言われ、 日本では元三重県知事の北川正恭氏の提唱による「ローカル・マニフェスト運動」が先駆けと して知られて います。 一般的にマ二フェストは政党によるものと地方首長によるものに大別されますが、 国政では掲げた公約が実現されないこ とが常態化 しているとともあり、有権者の意識も正直「半信半疑」と いったと ころかも しれません。一方、地方では国と異なり二元代表制である ため、 選挙で直接住民から選ばれた首長が、 自ら掲げた政策を自分の判断で実行することが可能です。今回のサミットでも、各市において着実に公約が実現している様子が伺えました。反面、課題や悩みとしては「議会の反対で実現できなか った」 「職員が他人事のような意識が強い」 「既存の総合計画との整合性を図るのに苦労があった」等の意見がありました。奈良市でも毎年秋に市民だよりでマニフェストの進捗状況を報告していますが、 他市では別冊の資料を全戸配布するなど、 意欲的な取組みがあ り刺激を受けま した。

 「お願いから約束へ」選挙の形が変わり 、政策本位の候補者選択が浸透する中で、ベ ース と なるのはやは り信頼関係です。市民と の約束を全力で実現する政治を、市民がしっかりとチェックし、時には苦言を呈すことが「良い政治」を築き上げる唯一の方策だと考えます。

 今回の大津市での事件を受け、奈良市では新たに全小・中・高校において「いじめ問題分析シ ー ト」 を配布 し、いじめの疑いのあるケー スの早期発見に取り組むほか、悩みを抱えた子どもたちにカウンセラーが電話で相談に応 じる「子どもスマイルダイヤル」 (0120-860-668) を開設するなどの対応にあたっています。子どもたちにとっては秋からの新学期が区切りの機会となりますので、問題が明らかになった場合は必ず夏休み中に解決するよう指示しています。いじめ問題は一義的には加害者に責任があるのは明らかですが、問題が深刻化するまで手を打たない、手が打てない担任や学校にも大きな問題があります。いじめを受けている子どもにとって、担任の助けが期待できないとなれば、狭い人間関係の中で逃げ場を失う事は容易に想像できます。また一方で、社会経験も無 く 、大学を卒業したばかりの若者が、すぐに学級担任として約30名の「集団」を任される今の仕組みでは、教員自身が問題を抱えきれず潰れてしまう可能性もあります。全国的に団塊世代の教員が大量退職し、現場経験の乏しい教員が教壇に立たざるを得ない状況がある中で、採用後の研修カリキュラムの充実や、教育委員会によるバックアップ体制に力を入れる必要があります。

 奈良市ではこれまでも小学校での少人数学級や校舎耐震化、 年間約1億円の「地域で決める学校予算jなど、あらゆる面で教育環境の改善に取り組んできました。一方で、今後は教育の質 を左右する人材育成にも力を入れるべく、今年は新たに「はぐくみ道場」という教師塾を開校しました。現場で子どもと向き合う教員が、自らの力で課題を解決できる能力を身につけられるよう、しっかりと育てて行きたいと思います。

7月31日で就任から3年を迎え、本日より4年目に突入しました。毎日の公務はあっという間に過ぎますが、この3年間に起きた様々な出来事、出会った方々、向き合った課題を思い起こすと、わずか3年間のものとは思えない気がします。

3年前に掲げた3大ゼロ宣言や、33のマニフェストの進捗については随時ご報告させて頂きますが、まずはこの間の取組みを支えて頂いた市民の皆さまに感謝するとともに、共によりよい市政をめざしご協力頂いた職員や議会にも御礼申し上げます。もちろん、「ほぼ日々不在」の夫であり父親を応援してくれる家族にも心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。

奈良市には、まだまだやるべき事、やれる事が山積しています。今日からまた新たな1年を全力疾走したいと思います。

 

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