市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん

2012年7月アーカイブ

2012年7月26日 01:04 [奈良市政]

鎌倉市との連携

先週土曜日に、鎌倉市の松尾崇市長が奈良市にお越しになりました。今回の訪問は災害時相互応援協定と観光交流宣言の締結が目的で、奈良国立博物館での特別展「頼朝と重源」の初日に合わせて締結式を執り行いました。

鎌倉市との縁は、治承4年(1180年)に平氏の南都焼き討ちにより大きな被害を受けた東大寺の復興に、源頼朝が支援者として多大な協力をしたことが知られています。また、鎌倉は鎌倉大仏を始め、鶴岡八幡宮など数多くの文化財を持つ歴史都市として、来年の世界遺産登録(武家の古都 鎌倉)をめざしておられます。

今回の提携では、両市いずれかで大規模な災害が発生した際に、被災者支援や物資の提供等はもちろん、文化財の滅失を防ぐための専門的な支援を行う事を謳っています。また観光分野では、両市を訪れる歴史ファンや外国人観光客等を相互に送客・誘客するための連携や、伝統行事を通じた交流等が挙げられます。

いずれにしても、両市の縁の深さを考えると、これまで行政レベルでの連携がほとんどなかったことが不思議なぐらいです。松尾市長は私の3歳年上と非常に若く、情熱的で行動力のある方だと感じました。今後、両市の行政のみならず、民間での交流をさらに深めて行きたいと思います。

Kamakura-Nara.JPG

両端は左から立会人の北河原公敬氏(東大寺別当)、同じく右端は吉田茂穂氏(鶴岡八幡宮宮司)

 

奈良市ではこれまで、特殊勤務手当の見直しを行ってきたところですが、
http://www.nakagawagen.net/blog/2012/04/post-153.php)この度、外部有識者で構成する「奈良市特殊勤務手当検討委員会」より見直しに関する提言が提出されました。

本委員会では本年3月議会において、市側の提案した特殊勤務手当を半減する案が「根拠がない」等の理由で否決されたことを受け、改めて制度の抜本的な見直しを行うことを目的に設置したものです。4月27日の第1回から計7回に渡り、担当課のヒアリングや現場視察も交え、支給の実態が制度の趣旨に合致しているか、また市民の理解を得られる状態か等の観点から検討して頂きました。

提言では、14の手当を廃止すべきとし、新たに保健所業務に関する手当の新設が求められました。
この提言を受け、市では見直し案を策定し、組合協議を経て議会に改正案を提出する予定です。


市HP「特殊勤務手当検討委員会について」
http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1341466061991/index.html

 

 日々の市政運営の中で、最も難しいと感じるのは多様な市民ニーズをどのように把握し、政策に反映するかと言う点です。37万人もの声を1つ残らず汲み上げる事は不可能だとしても、困難な状況にある人や意見表明の機会が与えられていない人の「声なき声」をいかに受け止めるかは重要な問題です。マニフェストには具体的な掲載はしていませんが、私は就任以来、各種委員会・審議会を始め、市の管理職への積極的な女性登用を目標としてきました。現在、地方自治法第 2 0 2 条の3 に基づ く 審議会等における女性委員の比率は27. 3%と、中核市41市中24番目となっています。 この中には防災会議のように従来は40人の委員のう ち女性委員がゼ口であったものもありますが、新たに委員定数を増やし女性の視点を取り入れています。また職員に占める役付職員比率(係長級以上)では平成24年度が17.9%と、 就任前 (15. 0%)に比べ着実に改善 し始めています (地方行財政調査会調べ)。しかし全職員に占める女性比率が43. 3%であることを考えれば、まだまだ十分とは言えません。

 一方、投票権を持たない子どもたちの声も行政には届かない事が専らです。先日、市内のある高校で高校3年生を対象に授業をさせて頂く機会を頂きました。内容は事前学習の中で奈良市の予算や基礎デー タを分析してもらい 、その後「自分が市長だったらj と いう仮定で自由に政策提言をするというものです。当初は、高校生といえば難しい年頃で、市政に対する意見もあまり出ないのでは?と考えていましたが、日常生活の中で気づいた社会の矛盾や建設的な改善提案が多数寄せられ、私も新鮮な刺激を受けました。街の未来を担う彼らが、今の大入社会をどのように見ているか。声なき声に最大限の想像力を働かせ、日々の市政運営の中で常に意識していきたいと考えています。

2012年7月 6日 22:00 [奈良市政]

6月議会終わる

 国会が消費税増税法案と国民不在の新たな政局で混迷する問、 奈良市では18日間に渡る6月定例議会が行われました。奈良市議会では昨年、議長選の贈賄申し込み事件で前議長が逮捕・辞職したことを受け、今年は議長選への立候補者による所信表明演説が行われるなど、全国的にも珍しい先駆的な取組みが始まっています。6月議会に提案した議案で最も重要なものは土地開発公社の解散に向けた関連議案です。帳簿上の価額が約175億円であるのに対し、実勢価額はわずか1割に満たないこの「塩漬け土地」は、平成3年~10年ごろに取得されたものが大半で、明確な利用計画がないまま 、 市場価格とかけ離れた金額で市が公社に先行取得させたものです。この場でも何度も取り上げましたが、私はこの問題はまさに過去の利権しがらみ政治の集大成であると考え、その経緯や実態について就任直後より徹底検証を行ってきました。

 また従来は非公開とされてきた土地の購入先や鑑定者についても情報開示を行い、その結果当時の現職議員からも土地を買い入れていた事実が明らかとなりました。今回の議案は不良資産となった「塩漬け土地」を抱えたまま、毎年多額の利息を金融機関に払い続ける従来の「先延ばし体質」を改め、国の有利な支援策を活用して公社を解散、 根本解決を図るねらいがあります。公社をこのまま存続させた場合、20年後の借入残高と利息は計271億円となりますが、今回の解散プランでは計190億円に圧縮できる見込みです。いずれにしても当時の関係者への責任追及が時効の壁で阻まれる中、 非常に大きな市民負担が生 じることには変わりなく、これまで以上に身を切る改革を断行することで財政運営を行っていく覚悟です。

2012年7月 1日 22:09 [市議会]

6月議会終了

6月定例議会が金曜日に閉会しました。昨年の議長選挙での不祥事を踏まえ、今回から立候補制による投票が行われるなど、議会運営の新しい形が始まっています。また、各議案も主なものは常任委員会へ付託され、本会議での代表・一般質問に加え、より慎重な審議が行われる形となりました。
今議会に提出した議案の中で、主なものは以下。

・土地開発公社の解散に向けた関連議案
・市立看護専門学校の設置および管理に関する条例の制定議案
・各外郭団体の経営状況の報告
・国の法改正(地方税法等)に伴う条例の一部改正
・人事案件(監査委員)
・財産の処分(平城宮跡内の市有地)、など

この中でも土地開発公社に関しては、2010年秋に奈良市土地開発公社経営検討委員会を設置し、過去の経緯や問題点について外部委員による徹底検証を行ってきました。その後、庁内での議論を踏まえ、もはや負の遺産をこれ以上抱え続ける事はできないと判断し、公社の解散に向けた具体的な手続きに入ろうとするものです。これまでは毎年、公社が金融機関に支払う利子の一部を市が補給する形で単年度の負担を低く抑える事に主眼が置かれてきましたが、これは債務の原因である「塩漬け土地」を根本的に解消する方策ではなく、いわば将来世代への負債の先延ばしと言えるものでした。またトータルコストの面でも、一刻も早く精算したほうが負担が少なくて済むことから、第3セクター等改革推進債という、条件の有利な国の起債制度を活用して精算をしようとするものです。今後は、公社に代わって市が金融機関に債務を弁済し、その債権(公社に対する市の債権)を放棄する手続きなどを年度内に取る予定です。いずれにしても、175億円という巨額の起債による負債処理となるため、今後改めて市民の皆さんへの丁寧な説明を尽くしたいと考えています。

市立看護専門学校については、恒常的な市内の看護師不足に対応するために来年4月の開校をめざして看護師養成機関を設置しようとするものです。市立奈良病院に限って言えば、私の市長就任直前の09年4月1日時点で213名(臨時含む)だった看護師数が、今年4月1日には252名と着実に増員を図ってはいますが、病院の建替えにあわせてさらに人員が必要となるため、根本的な解決策として開校するものです。

その他にもさまざまな議論を経て、最終的に市側の提出した議案については全て可決されました。議会で出された視点・論点については、今後の取組みの中で反映させていきたいと思います。

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