奈良市では昨年度、事業仕分けに代わる新たな行革手法として「事業・業務の総点検」を実施しました。事業仕分けでは対象事業数や波及効果に限界があることから、より全庁的に「濡れ雑巾」を絞る方策として全国に先駆けて取り組みました。作業は市の行政経営課と外部の公認会計士による合同チームで行い、
1)全課・全支出を対象に直接事業費(見えるコスト)だけでなく人件費等の間接費(見えないコスト)も含めた分析
2)企業会計をベースに経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の配分状況をチェックする「マクロ視点」と同時に、全110課へのヒアリングや職員からの行革提案の募集などの「ミクロ視点」の両方からのアプローチ
3)予算の編成から執行・監査までの各工程の課題を一体的に点検
した点が特徴です。いずれも民間では当たり前の発想ですが、自治体も急ピッチでマネジメント改革を進めなければなりません。
具体的には以下の6つの横串課題が明らかになりました。
1)官民役割分担(ごみ関連業務や証明書発行等の窓口業務の民間委託)
2)間接業務の効率化(各課で対応している物品調達や電話対応業務等の一元化)
3)人件費の抑制(他市より多い年間約3億円の特殊勤務手当や約13億円の時間外手当の削減)
4)予算管理と監査体制の強化
5)施設管理の最適化(100施設ある公私立の幼保再編や行政財産の売却等)
6)歳入増加策(自販機の入札や、月給制の行政委員の日額化等)
これら全てを達成すれば約54億円の経費節減につながります。今年度は実現に向けた制度設計や入札準備など、出来るものから取り組んでいく予定です。
詳しい報告書を市HPに掲載していますので、ぜひご覧ください。
http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1335246998710/index.html
2012年4月アーカイブ
27日の金曜日に、第1回の「奈良市特殊勤務手当検討委員会」が開催されました。特殊勤務手当(以下、特勤)は「著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務」に対して支給されるもので、奈良市では「清掃勤務手当」や「大型ごみ業務手当」「夜間業務手当」等、30種・約3億円を支給(22年度実績)しており、約7割が環境部に集中しています。
例えば年間約1億3000万円と最も支給額の多い「過重作業手当」は、病気休暇等で休んだ職員の代わりに担当区域外の応援に回ると最大で1回5,250円が支給されます。2番目に多い「廃棄物等処理作業手当」はごみ・再生資源の収集処理に従事した職員に対し、出勤すれば自動的に支払われるもので年間約5000万円の経費がかかっています。奈良市の特勤は他の中核市と比べても4倍近い支給額であり、手当を含む年収ベースでも約780万円(環境部の現業職員平均)と最も高い状態にあります。
これらに対し、市では特に支給額が高く妥当性の乏しいものを原則全廃することとし、24年度だけは激変緩和措置として半額支給とすることを3月市議会に提案しました。しかし、議会からは「従業員組合との交渉が十分でない」「半減する根拠がない」等の反対理由が相次ぎ、最終的には賛成少数で否決されています。
今回の検討委は見直し案を再度、外部有識者も交えて検討するもので、市ではその後の組合交渉を経て、議会に再提案する予定です。
奈良市では昨年度、事業仕分けに代わる新たな行革手法として「事業・業務の総点検」を実施しました。事業仕分けでは対象事業数や波及効果に限界があることから、より全庁的に「濡れ雑巾」を絞る方策として全国に先駆けて取り組みました。作業は市の行政経営課と外部の公認会計士による合同チームで行い、1)全課・全支出を対象に直接事業費(見えるコス卜)だけでなく人件費等の間接費(見えないコスト)も含めた分析、2)企業会計をベースに経営資源(ヒ卜・モノ・カネ・情報)の配分状況をチェックする 「マクロ視点」と同時に、全110課へのヒアリングや職員からの行革提案の募集などの「ミク口視点」の両方からのアプ口ーチ、3 )予算の編成から執行・監査までの各工程の課題を一体的に点検、した点が特徴です。いずれも民間では当たり前の発想ですが、自治体も急ピッチでマネジメン卜改革を進めなければなりません。具体的には以下の6つの横串課題が明らかになりました。1 )官民役割分担(ごみ関連業務や証明書発行等の窓口業務の民間委託) 、 2 )間接業務の効率化(各課で対応している物品調達や電話対応業務等の一 元化)、 3 )人件費の抑制(他市より多い年間約3億円の特殊勤務手当や約13億円の時間外手当の削減)、4)予算管理と監査体制の強化、5)施設管理の最適化(100施設ある公私立の幼保再編や行政財産の売却等)、6)歳入増加策(自販機の入札や、月給制の行政委員の日額化等)これら全てを達成すれば約54億円の経費節減につなが ります。 今年度は実現に向けた制度設計や入札準備など、出来るものから取り組んでいく予定です。詳しい報告書を市HPに掲載していますので、ぜひご覧ください。
約一カ月に渡り聞かれた3月定例市議会が閉会しました。今議会では24年度予算案に加え、 職員給与の独自カ ッ トや特殊勤務手当(以下、特勤)の削減案を提出・議論 しま した。特勤は「著 し く 危険、不快、不健康文は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務」に対して支給されるもので、奈良市では「清掃勤務手当」や「大聖ごみ業務手当」 「夜間業務手当」等、30種・約3億円を支給(22年度実績)しており、約7割が環境部に集中しています。例えば年間約1億3000万円と最も支給額の多い「過重作業手当」は、病気休暇等で休んだ職員の代わりに担当区域外の応援に回ると最大で1回5,250円が支給されます。 2番目に多い 「廃棄物等処理作業手当」 はごみ ・ 再生資源の収集処理に従事した職員に対し、出勤すれば自動的に支払われるもので年間約5000方円の経費がかかっています。奈良市の特勤は他の中核市と比べても 4倍近い支給額であり、手当を含む年収ベースでも約780万円 (環境部の現業職員平均)と最も高い状態にあります。今回の見直し案では、特勤のうち特に支給額が高く妥当性の乏しいものを原則全廃することとし、24年度だけは激変緩和措置として半額支給とすることを提案しました。これに対し、議会からは従業員組合との交渉が十分でない」 「半減する根拠がない」等の反対理由が相次ぎ、最終的には賛成少数で否決となりました。私は、市民感覚とかけ離れた現在の給与水準や既得権益化した手当は即是正すべきと考えています。今回は議会の反対により改革が岨まれる結果となりましたが、再提案に向け早急に対策を練りたいと思います。併せて現在の直営方式を大幅に見直し、民間委託化に向け大きな決断をすべき時が来たと感じています。財政難の奈良市としては避けて通れない道です。