市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん

2011年1月アーカイブ

2011年1月30日 23:23 [奈良市政]

税収減

奈良市は年間税収の約半分を個人市民税で頂戴している、とよく言いますが、今年度予算ベースでは約526億円のうち、約233億円となっています。ところが今年度はこの個人市民税の税収が大幅に落ち込んでいます。12月末時点の収納済額は約173億円と、前年同時期に比べて約10億円減少しています。決算を締め切るまでにはまだ少し時間がありますが、おそらく大幅な改善は見込めず、非常に厳しい状況が予想されます。一方で法人市民税は全国的な企業収益の回復に伴って約32億円(同12月末時点)と7億円近くの増収となっています。現在、来年度予算の査定作業に連日取り組んでいますが、無い中でいかにやり繰りをするかと同時に、しっかりと財源を稼げる自治体をめざした戦略的投資にも力を入れたいと考えています。そのためには観光や人口流入を促すための事業に重点を置くと同時に、税の徴収率の改善にもあらゆる手段を講じていかなければなりません。

平成22年度12月末現在の市税収納済額
(カッコ内は前年同月額)
個人市民税 173億4443万円(183億9172万円)
法人市民税 31億7878万円(24億9569万円)
固定資産税 158億8496万円(159億5728万円)
軽自動車税 3億8449万円(3億7719万円)
市たばこ税 11億2792万円(10億9050万円)
入湯税 807万円(735万円)
事業所税 8億771万円(7億8173万円)
都市計画税 26億8236万円(26億8688万円)

市税総額 414億1875満円(417億8839万円)

負の遺産として知られる奈良市の土地開発公社の「塩漬け土地」問題。214億円の簿価に対する実勢価格はわずか26億円と、実に9割が含み損となっている現状があります。市では昨年秋に「奈良市土地開発公社経営検討委員会」を設置し、過去の土地取得の経緯を徹底調査するとともに、再発防止と負債処理に向けた方策を検討しています。先日行われた第5回の委員会では、当時の担当者(退職済みを含む)や関係者に対するヒアリング調査を踏まえた中間報告が出されました。

その中で、
・買取りありきで進められた必要性がきわめて低い土地の取得
・不当に高額に設定された買取価額と歯止めなく膨張する借入実行
・10年を超えた放置、処分先送り、塩漬けによる後世代への負担転嫁
の3点が問題として指摘されました。

委員会では年度内の最終報告に向け、さらなる調査を行うことになりますが、いずれにしても、市民の皆さんから大切な税を「お預かり」しているという意識が低く、チェック機能も全く働いていなかった事が、このような膨大な負の遺産を生み出したと考えられます。徹底して過去の膿を出し切り、高いガバナンス(統治)を確立する事が最重要課題だと考えています。

詳細は市HPに中間報告書を掲載していますので、ご覧下さい。
http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1295243229599&SiteID=0000000000000&FP=toppage

 長く充実した2010年も終わり、ポスト1300年スター トの年でもある2011年が始まりました。「1300年記念」の冠が取れ平常モー ドに戻りつつありますが、 「世界遺産都市・奈良」という大看板はこれからも残ります。今年はしっかりとその価値を高める取り組みを継続したいと思います。

 さて、先日行われた奈良市の成人式では約3700名の新成人が、慣れない着物やスー ツに身を包み、誇らしげな表情で旧友たちと再会を喜び合う姿が街中で見られました。

 一方、昨年奈良市で生まれた子どもの数は約 2700名と、20年で1000名も減少していることに大きな危機感を覚えます。式典の挨拶では、 「ぜひ共に社会課題を解決していきましょう」と若者たちに協力を要請しました。若者の政治離れや無関心は、いつの時代も指摘されますが、最近は政治家事務所へのインター ンシップに参加する学生も多し立聞きます。また先日は、母校である立命館大学の「全国知事リレー 講義」にゲスト講師として1コマ授業をさせて頂きましたが、学生たちは非常に熱心で、講義終了後も質問攻めにあうなど、あながち無関心とも言えない状況を感じました。

 国も地方も多くの借金を抱え、将来世代からの前借り経営が何の違和感もなく繰り返されている事に、若者たちはもっと怒るべきだと思います。社会保障の負担と受給に関する世代間格差も、その事実が実感を伴って受け止められる頃には、もはや手遅れということになりかねません。私も未来に対する責任をしっかりと意識しながら、今年も市政運営に全力を投じたいと思います。

2011年1月12日 02:06 [日記]

リレー講義など

本日は午前中に管理職昇任試験の集団面接を行いました。奈良市は課長職の平均年齢が56歳と、県内12市中、最も高いことからも、積極的な世代交代を計ろうと今年度から制度設計を見直しました。既に先月実施した筆記・小論文の一次試験に加え、今回の二次面接で合格者を決定します。明日も全日実施しますが、意欲と能力、責任感のある人材がどれだけ挑戦してくれるか、とても期待しています。

午後からは立命館大学での「知事リレー講義」にゲスト講師としてお招き頂き、約400名の学生に地方自治の現場の話をさせて頂きました。事前にこれまでの講師陣を拝見すると、改革派として知られる全国の知事が多数登壇されており、貴重な機会を得た事を光栄に思います。また私の前が(知名度の高い)名古屋の河村市長ということで、ある意味「相当やりづらい」状況ではありましたが、真剣な表情の学生と向き合うことで、私自身もとても刺激を受けました。
今回は、「街の未来を創る仕事~新しい公共時代のキャリア教育」と題し、学生時代の経験談も踏まえ、なぜ市長になろうとしたのか、どんな社会をめざしているのか、また現場で今何が起きているのか等ついて話すとともに、無限の可能性を秘めた学生たちに、いろんな事に積極的に挑戦して欲しい、と伝えました。
講義終了後も教室に残った学生からたくさんの質問を受け、政治への関心の高さに驚きました。これまで無関心だった若者が、どんどん声を上げることで日本は確実に良くなると私は確信しています。自分たちの将来について、当事者不在のままで様々な制度や負担の先送りが決まっていくことに、より多くの関心を持って欲しいと、願いながら会場を後にしました。
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