市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん
2018年2月26日 06:17 [奈良市政][日記]

30年度予算案を発表

30年度の予算案を発表しました。街の成長や発展に欠かすことのできない子育て支援や都市基盤整備に重点的に予算を配分したことから、記者会見では「未来への成長」予算と表現しました。一般会計では1310億円(約34億円増)と過去最大となったものの、特別会計・企業会計を合わせた予算総額としては約18億円減の約2357億円となっています。

歳入では景気回復による個人・法人市民税の伸びが約3.3億円増、地方消費税の精算基準が大きく変わったことで5億円の増、また株式等譲渡所得割交付金(3億円増)や配当割交付金(1.5億円増)等も前年比で伸びを見込んでいます。(ちなみに株譲や配当割の一人当たり額は全国の中核市の中でほぼ毎年、奈良市がトップです)

市債(借金)発行額は約137億円と前年よりも13%ほど増えていますが、これは新斎苑や大和西大寺駅の周辺整備等、大型事業が集中している事が原因です。一方で借金返済にあたる公債費は約179億円を計上しており、新規借り入れよりも返済が大きく上回っている状況です。30年度末見込みの市債残高は約2678億円(全会計ベース)となり、前年比で39億円ほど減らしています。国の借金の肩代わり(臨時財政対策債)や過去の隠れ借金(三セク債)の影響分を除くと約1882億円となり、前年比で60億円程度の返済が進む見込みです。

ちなみに奈良市の市債残高は土地開発公社の負債(隠れ借金)を処理した平成24年の約2944億円がピーク。これは、公社の借金が市債残高にカウントされないのを良い事に、毎年利息のみを支払い(約2.5億円)、元金返済を先延ばしにしてきた歴代市政に終止符を打ったものです。一見すると急に残高が増えたようにも見えますが、単に表に出ただけの話です。

「借金」と聞くと悪いイメージが付いて回りますが、実際には一旦借りる形を採ることで国から返済分の交付税措置が受けられるような事業も多く、「事業の性質に合わせて賢く活用し、残高は着実に減らす」という考えが重要だと思います。今後も新斎苑やクリーンセンターの建替え等、何十年に一度のビッグプロジェクトも控えていますので、一時的に市債残高が増加する事もありますが、中長期では着実に借金を減らし、しっかりと将来世代に責任の持てる経営を心掛けていきたいと思います。


ここからは歳出面です。前年に比べて増額となっているのは定年退職の増に伴う人件費の増(約2.1億円)、障害者介護給付の増等に伴う扶助費の増(約6億円)、新斎苑整備事業(11億円)や大和西大寺駅の南北自由通路や北口・南口の両駅前広場整備(約39億円・含特別会計分)、市立こども園建設事業(約10億円)等です。

分野別では、子育て支援が新設保育所2園の整備事業(約3億円)、私立幼稚園2歳児受入事業補助(450万円)、病児保育施設整備事業(約4600万円)、バンビーホーム(学童保育)の増改築(約3億円)や夏休みの昼食提供(約7000万円)の他、民間保育士給与の改善や家賃補助などにも取り組みます。

教育面では奈良市独自の少人数学級を小1・2年生の30人学級は維持する一方、小3・4年生を国基準の40人とします(小5・6は既に国基準)。他方、特別支援教育支援員を97名から140名に大幅増員します。1クラスの児童数数は少ないに越したことはないという意見もありますが、たとえクラスが30人であっても、特別な支援を要する子どもが急増している中で、教員が持ち場を離れて教室から飛び出す児童を探しにいかなければならない、というような状況には対応できません。担任の教員には授業に集中できる環境を確保する事を優先し手法の見直しを行いました。AIを活用した子どもの習熟度に応じた学習指導「学びなら」事業や、経験年数の短い教員を訪問型で指導する研修事業などについては継続します。

防災防犯対策としては、昨年・一昨年に引き続き市内の犯罪発生率の高い箇所に防犯カメラを設置(約2200万円)、また災害時には避難所となる学校体育館のトイレ改修を完了(約3.4億円)させる他、防災行政無線の難聴エリアの調査も実施する予定です。福祉面では地区社会福祉協議会の機能向上を目的に、これまで市内7ブロックに1名ずつ配置していたコーディネーターを14名に増員。また権利擁護センターや在宅医療介護連携支援センターの設置など、医療と福祉と介護を一体的に支える仕組みづくりを加速させます。また、ひとり親家庭や生活困窮世帯の中学生を対象に市内3か所で学習支援教室を開設します。

最後に県市連携。6年後のJR新駅と京奈和自動車道(仮称)奈良インターチェンジの設置を迎える「八条・大安寺周辺地区」、奈良公園から鴻ノ池運動公園・旧奈良監獄までを包括した「奈良公園周辺地区」では新たに近鉄奈良駅周辺のターミナル化についてもグランドデザインを描いていきます。さらに32年度末の完成に向け着工している南北自由通路を含む「大和西大寺駅周辺地区」では開かずの踏切対策や将来の近鉄線移設も視野に入れたまちづくりに取り組みます。その他にも今春移転する奈良県総合医療センター跡地活用等についても県市がしっかりと連携して将来のまちづくり構想を練って参りたいと思います。

これらの予算案を含む議案は、2月28日開会の3月定例市議会に提出し、審議されることとなります。

■平成30年度当初予算案の概要
http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1519025288353/index.html

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