市民が主役の奈良市政をめざす仲川げんの活動日記。

仲川げん
2011年12月 2日 06:30 [日記]

陳情ルールと地方の声

国の予算編成が大詰めを迎える中、霞が関・永田町には全国各地から首長や各種団体による陳情団が今年も大勢集まっています。国への陳情ルールは政権交代により「大きく変わった」とされますが、特に最近は従来型に逆戻りしているように感じます。党の地方組織を通じ幹事長室に集約するという流れは、政官の癒着を防ぐという表向きの理由よりも、与党への集権化が狙いであるのは明らかです。しかし、党へ直接持ち込めば癒着がなくなるのかと言うと、先の税制改正に伴う自動車二税(重量税・取得税)の廃止案のように、族議員による特定産業へのあからさまな利益誘導があり、自民党政権時代と何ら変わりありません。

一方で、「効果の有無は定かではない」と感じつつも地方が陳情を繰り返す背景には、地域の声が中央政府には全く届いていないという危機感があります。現場とかけ離れた霞が関で次々と作られる国の制度に地方が振り回されている現状や、一方的な地方への財政負担押し付けなど、国と地方の信頼関係や対話が圧倒的に不足していると感じます。今年度からは地方6団体(全国知事会・全国市長会・全国町村会と各議長会)との協議の場が設けられ、対話に向けた一歩を踏み出したとはいえ、例えば奈良市の声は、全809市の代表として全国市長会の森長岡市長が1人で代弁をするしか方法がありません。

このズレを解消するためには、国会や政府が日常的に地方の意見を聞き、共に制度設計に取り組む形に変える必要があります。例えば現在の参議院を「地方院」と改称し、全国の首長に(無給で)議員を務めさせる方法があります。フランス等でも政治家が国と地方を兼務する仕組みがあり、参考になります。今の日本はそういった根本論が重要だと考えています。

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