「成す!」言葉ではなく、行動で示し、結果を出す! Cover Story『成果で語る政治を、奈良市から。~未来志向のまちづくり~』
奈良を元気にする奈良市長仲川げんの公式Webサイトです。
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~未来志向のまちづくり~
近年、奈良市は「6年連続の転入超過」や「子育て世代の転入増による関西1位」「共働き子育てしやすい街ランキングで関西1位」など、さまざまな指標において成果が表れています。こうした実績は、偶然の産物ではなく、複数の施策の積み重ねによってもたらされたものです。
奈良市はこれまで、大阪のベッドタウンとして人口を増やしてきましたが、その分、税収の約半分を個人市民税に依存してきました。今後、生産年齢人口が減少していく中で、人口増を図ると同時に、税収構造を多様化する必要があります。
子育て支援策としては、保育料の無償化や医療費助成の拡充、一条高校の教育改革や附属中学の新設、理系人材の育成に向けた大学との連携などに取り組んできました。さらに、企業誘致や起業家育成を通じた産業振興にも力を入れています。こうした施策を一気通貫で展開してきたことが、市民や関係者からの評価につながっています。
子育て支援では、第2子以降の保育料無償化(所得制限なし、2歳児まで)を実現しました。少子化が加速する中、子育て家庭への経済的支援は不可欠であり、保護者の不安を軽減する取り組みとして評価されています。
また、小中学生の医療費に関しては、県内で初めて現物給付制度を導入しました。病院窓口での立替負担が不要となるこの制度は、国からの交付金が一部減額されるという制約がある中で、必要な支援をいち早く届けることを最優先に導入したものです。
加えて、放課後児童クラブの拡充や、児童相談所を併設した子どもセンターの開設など、総合的な子育て支援施策を展開しており、子育てしやすい環境の整備が進んでいます。
2022年に開校した一条高校附属中学校は、奈良市の教育改革の象徴的な存在です。社会に出てから役立つ力を育むことを目的に、文理統合のArts STEM教育や探究型学習を取り入れています。ここで培った教育ノウハウを市内の全中学校、小学校に展開することで、奈良の教育を根本から変えていきます。
また、奈良女子大学の工学部新設や、奈良先端科学技術大学院大学、奈良高専との連携を通じて、テック系人材の育成と地元定着の促進も進めています。教育と地域経済を連動させることで、奈良市を「働きたいまち」「働けるまち」へと進化させることを目指しています。
奈良市では、従来の「住宅都市」「観光都市」に加え、「産業都市」としての機能強化を図っています。最近では、DMG森精機やベルギー系企業ボープランの日本法人が本社を構えるなど企業誘致が進んでおり、法人関係税収は過去最高の約141億円に達します。
現在は、JR新駅および京奈和自動車道・奈良インターチェンジ(仮称)周辺で、八条・大安寺地区の再開発が進行中です。2030年の「まちびらき」に向け、企業や雇用を呼び込む新たな拠点づくりが進められています。
また、起業家育成にも注力しており、2017年にスタートした「NARA STAR PROJECT」では、これまでに37名が卒業し、雇用創出や売上拡大といった実績を上げています。先輩起業家が参加者を支援する仕組みが定着しつつあり、地域経済の活性化に貢献しています。
近年は、職員自らが歳入の増加に向けて主体的に行動する姿が見られるようになってきました。高度成長期以来、長らく続いた個人市民税の「一本足打法」から、経済活動を中心とした多様な財源による「安定経営」に向けて着実に歩み出しています。こうした自走型の組織文化の醸成は、市政の大きな変化であり、将来に向けた確かな基盤となっています。
最近、鴻ノ池運動公園が少しずつ新しくなっていると聞きました。サッカーJ3に昇格した「奈良クラブ」の試合に行ったときも、多くの観客でにぎわっていて、以前とは違う明るい雰囲気を感じました。鴻ノ池エリア全体をどういう方向で整備しているのか、もう少し詳しく知りたいです。
鴻ノ池エリアでは、老朽化した運動公園の再整備と、重要文化財である旧奈良監獄の保存活用を軸にした「官民連携による再生プロジェクト」が進んでいます。スポーツ施設では、ロートフィールド奈良のナイター照明やランニングステーション、スケートボードパークなどが新たに整備され、子どもから大人までがアクティブに楽しめる空間が生まれました。また、防災倉庫やトイレの洋式化など、災害時にも活用できるインフラ整備も進んでいます。
さらに、2026年春には、星野リゾートが旧奈良監獄を活用したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」を開業予定。明治期の近代建築が文化・観光資源としてよみがえり、隣接する運動公園との相乗効果が期待されています。
これらの取り組みは、企業版ふるさと納税などを活用した民間資金の導入によって実現。奈良市にとって新たな財政負担を抑えつつ、エリアの魅力を高める工夫がなされています。
「奈良らしさ」とは何か。それは、長い歴史に根ざした文化だけでなく、新しい挑戦を受け入れる寛容さにもあると私は思っています。
鴻ノ池エリアのリノベーションは、古くなった施設を単に修繕するのではなく、「未来価値」をどう創出するかに重点を置いたプロジェクトです。文化とスポーツ、観光と防災、そして市民のにぎわいが交差する多機能なエリアとして、奈良の北部に新たな拠点を育てようとしています。
税収が限られる中でも、企業の力を借りて再整備を進められたのは、まさに「巻き込み力」の成果です。座して老朽化を嘆くのではなく、知恵と連携で次の世代に誇れるまちづくりを。そんな想いで、これからも市民の皆さんとともに進めていきます。
音楽が好きでコンサートにもたまに行くのですが、奈良で本格的なクラシック演奏を聴く機会は少ないように感じていました。最近、ピアニストの反田恭平さんが奈良市にオーケストラをつくられたと聞きましたが、どんな活動をされているのでしょうか? 地元に音楽文化の拠点ができると、子どもたちにとってもいい影響がありそうですね。
奈良市は2022年、ピアニストで2021年ショパン国際ピアノコンクール第2位に輝いた反田恭平さん率いる「ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」と「魅力発信パートナー宣言」を交わしました。JNOは奈良市に本社を置き、全国でも珍しい音楽家が自ら設立した株式会社が運営するオーケストラとして注目されています。
奈良市では、市民向けコンサートや学校でのレッスン、ひとり親家庭の子どもたちを招いた鑑賞体験など、JNOと連携した文化事業を展開。ふるさと納税を通じた支援制度も整備し、市内外の支援者からの寄附が活動を支える仕組みとなっています。
さらに、JNOは奈良を拠点に「世界で活躍できる音楽家の育成」を目指しており、2030年には国際音楽院の創設も構想。文化・芸術の力で、地域と子どもたちの未来を豊かにする取り組みが進んでいます。
私が子どもの頃から「奈良には鹿と大仏しかない」「若者は都会に出ていく」と言われ続けてきました。そんな奈良を変えたいという一心で、この10年、新たな価値を生み出す挑戦を続けてきました。
その一つがJNOとの連携です。30年前に奈良が誘致に失敗した、小澤征爾さんのサイトウ・キネン・オーケストラが、松本のまちを大きく変えたように、JNOは奈良の文化的プレゼンスを世界へと広げる可能性を秘めています。
JNOの演奏は、文化・芸術に触れる機会の少ない人にも開かれていますし、音楽教育や人材育成にもつながります。反田さんが「奈良を音楽の都に」と語るように、私たちのまちが音楽文化の拠点として花開くように、共に未来を描いていきたいと思います。歴史と自然に包まれたこの奈良で、世界とつながる音楽の波を育てていきましょう。
仲川げんの視点